◯四十六番(伊藤勝人君) 歳出第九款建設費第九項住宅費についてお伺いをいたします。
 この二月、県営住宅の抽選がありました。春日井市内の県営神領住宅で六十倍強、八田住宅で五十倍を超える倍率でありました。県下全体の平均では十倍強であったというふうに伺っております。昨今の住宅事情需給をある意味で如実にあらわしていると思われてなりません。
 これまで、我が国の住宅政策は、公営住宅や公社、公団による住宅建設、供給及び住宅金融公庫による住宅資金の直接供給といった政策手法を核として、住宅の量の確保を図ることを通じて、住宅不足の解消や住居水準の向上等々に一定の成果を上げてまいりました。
 その間、平成十八年六月に、住生活基本法が制定されました。この住生活基本法には、今日的課題である少子化・高齢化社会、人口・世帯減少の到来及び右肩上がりの住宅需要を前提としていた住宅政策の制度的枠組みの抜本的な見直しが必要となり、ストックの有効活用、市場機能の重視、福祉政策との連携、地域に根差したきめ細かい対応といった横断的観点から制定され、そして、住宅市場で阻害されやすい低所得者、被災者、高齢者、子供を育成する家庭、その他住宅の確保に特に配慮を要する者の居住の安定を図ることを基本理念の一つとして位置づけられているところであります。
 また、これに基づく住生活基本計画の全国計画では、住宅困窮者の多様化、住生活の質の向上政策への転換、フロー重視の政策から良質なストックを将来の世代に継承していく政策へ転換していくことが明記されております。行政の役割は、市場が円滑かつ適切に機能するため、住民の多様なニーズを満たす安全・安心で良質な住宅を適時適切に選択できる市場へ環境整備すること、もう一つは、市場にゆだねては適切な資源配分が確保できない場合の誘導補完、いわゆる住宅セーフティーネットの構築を図ることとされております。
 こうした中、賃貸住宅市場の約七割を占める民間賃貸住宅の有効利用に必要な施策を進めていくことは、賃貸住宅市場全体のセーフティーネット機能の向上を図る上で極めて重要であると思います。
 中でも、高齢者、障害者、外国人、子育て世帯については、借り主が死亡した場合の家財道具の処理や撤去費用に係る貸し主負担の発生や居室の資産価値の下落、あるいは近隣住民とのトラブルが発生するのではないか、家賃の滞納や契約時における初期費用の支払いといった不安から、家主が入居を制限している場合が少なからずあります。
 平成十八年度には、財団法人日本賃貸住宅管理協会が行った民間賃貸住宅の実態に関するアンケート調査によりますと、家主の約一五・八%がこれらの方々への入居を制限しているとされています。
 一方で、先ほど述べましたように、県営住宅を初めとする公営住宅は、応募倍率も非常に高いため、なかなか思った住宅にすぐに入居するのは難しいという状況にもあります。このため、民間の賃貸住宅を有効に活用していくことが重要と考えられます。
 私は、地域の住宅政策として、関係者が連携してこれらの方々の民間賃貸住宅への円滑な入居を支援していく仕組みをつくっていくことが必要だと思います。このような民間賃貸住宅への円滑な入居の促進に関する施策を公的賃貸住宅の適切な供給とあわせて実施することにより、地域に即した重層的かつ柔軟な住宅セーフティーネットを効率的に構築していくことが可能であると思います。
 愛知県においては、二〇一五年までの十年間の住まい・まちづくり施策を総合的かつ計画的に進めていくため、平成十九年二月に策定した新たなあいち住まい・まちづくりマスタープランにおいて、居住の将来像として、安心して住み続けることができる、生き生きした住生活が実現できるといった四つの目標を掲げ、住まい・まちづくりの施策を展開していくこととなったところであります。
 また、昨年七月に公布、施行された住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律、いわゆる住宅セーフティネット法では、地方公共団体に対し、住宅確保要配慮者の民間賃貸住宅の円滑入居について、必要な施策を講じる努力義務が定められました。
 この法律の成立により、法律に盛り込まれた枠組みのもと、愛知県においても、賃貸住宅に関する各種の施策が効果的に進められることにより、高齢者、子育て世帯等の住宅の確保に特に配慮が必要な者が安心して暮らせるような地域に即した重層的かつ柔軟な住宅セーフティーネットの充実が図られることを期待をしています。
 そこでお尋ねをいたします。
 県は、平成二十年度予算に、高齢者、障害者、外国人、子育て世帯の民間賃貸住宅への円滑な入居を支援するあんしん賃貸支援事業を盛り込んでおりますが、この事業のねらいについてお尋ねをいたします。
 また、これらの方々の入居の円滑化を図るために、入居者と家主双方の不安を緩和することが重要と考えますが、それぞれにどのようなメリットがあるのかをお尋ねをいたします。
 以上であります。


◯建設部建築担当局長(長瀬幸男君) あんしん賃貸支援事業の、まず、この事業のねらいについてお答えをいたします。
 この事業は、高齢者、障害者、外国人及び子育て世帯の入居を拒否しない民間賃貸住宅の情報や、契約時の立ち会いや入居後の生活相談など、安心して居住するためのさまざまな支援サービスの情報につきまして、県営住宅の受け付け窓口のほか、インターネットなどで提供するものでございます。
 そのねらいといたしましては、県、市町村、社会福祉法人、NPO等の支援団体や仲介事業者などが連携いたしまして、この事業を進めることで、入居者と家主双方の不安を解消することにより、民間賃貸住宅を活用した重層的なセーフティーネットを構築しようとするものでございます。
 この事業が円滑に機能するためには、各種の支援サービスの提供が大変重要でございますので、平成二十年度には、こうした支援サービスを提供していただける団体の発掘及び育成に取り組んでまいります。
 次に、この事業を実施することによるメリットでございますが、入居者にとりましては、登録されている賃貸住宅は、入居拒否の心配がなく、安心して物件を探すことができることや、あるいは登録されている支援サービスを活用することで、トラブルへの不安が緩和できることなどが挙げられます。
 一方、家主にとりましても、支援サービスを活用することで、トラブルへの不安が緩和でき、安心して物件を貸すことができるようになります。こうしたことによりまして、空き家の解消にもつながるなど、経営の安定を図ることができることとなると考えております。
 以上でございます。