◯四十五番(伊藤勝人君) 第五款環境費第二項自然環境費のうち、あいち自然環境保全戦略費の移入種対策費についてお伺いをいたします。
 近年、外来種あるいは移入種という言葉をよく聞くようになりました。一般的には、海外から我が国に持ち込まれたものを外来種、国内の他の地域から持ち込まれたものを移入種といっているようでありますが、ここでは、海外から我が国に、あるいは本県に持ち込まれた外来種についてお尋ねをいたします。
 日本は島国であります。長く続いた鎖国の時代には諸外国との交易はほとんどなく、人や物資の行き来が少なかったことから外来種が持ち込まれる機会も少なく、日本固有の在来種や生態系に対する影響は余りありませんでした。
 しかしながら、明治時代以降、諸外国との交流が盛んになるにつれ、食料として、あるいは毛皮の材料として、これまで日本にはいなかった外国の動植物が国内に持ち込まれるようになり、さまざまな影響を与えるようになってまいりました。
 昭和三十年ごろ、突然、エビガニ、今でいうアメリカザリガニでありますが、非常に繁殖をしました。それまでに在来の小エビだとか、あるいはザリガニのちっちゃなものが日本にもいたわけでありますが、あのアメリカザリガニが入ってきて駆逐をしてしまった。日本の在来のものは非常に少なくなってきた。それが今日もそうであります。
 それがコリドールや、エンドリンや、パラチオンというような農薬をたくさん使うようにそのころなったわけですね。そうしましたら、小魚がたくさん死にました。ザリガニも食べ物がなくなったのかどうか知りませんが、急に減りました。今日ずっと見ていますと、水田であったり、小川なんかで見ていますと、ザリガニは元気ですね。平気で今でもたくさんいます。でも、昔のような大きなものは見ることが数少なくなってきたような気がします。
 そのザリガニが在来種を全部どこかへ追いやってしまったり、殺してしまったというか、そんな中で、ただ単にザリガニといえばアメリカザリガニが私たちの目の前にあるというようなことがもう定着してしまったような気がします。
 また一方、そういう動物的なものといいますか、そういうものだけでなくて、目的はそうではなかったにもかかわらず、知らず知らずのうちに日本に持ち込まれた外来種がたくさんある。その中の一つに、畑にこのごろ、牛のふんであったり、鶏のふん等々を肥料として、今、割とにおわないきれいな、そういうものをたくさんくれますので、入れる。そうしますと、入れた後、突然今まで見たこともないような草、我々は雑草だと思っていますが、その雑草のようなものがたくさん畑に急に生えてきた。
 その雑草の困るのは何かといいますと、種を落とす時期が違うんですね。あるものは一年中種を落としている。取っても取ってもそれが次から次に出てくる。一年中元気です。そんな種類のものもたくさん生えてきました。
 私たちがまさに気がつかないうちに外来種の侵入を許しているのかなということを思います。また、今、日本に入ってくるものだけをいけないいけない、これはいいものだ、これは悪いものだと選別のことが議論になりますが、日本からも外国に出ていっているものもあるだろうということも思います。
 そのことは、一つの例として、庭園装飾用などにアメリカに持ち出されたクズがあります。このクズは、日本以上に生育に適していたのかもわかりませんが、あるいは競合する相手がいなかったのか、現地で想像以上に数がふえ、林の若木の成長を妨げるなど被害を引き起こし、アメリカでは侵略的な外来種に指定されているそうであります。
 国境を越えて動植物が移動することによりその地域の生態系を乱してしまうなど、経済がグローバル化するにつれて外来種問題がますます顕在化しております。外来種の中には、私たちの生活の中で身近な生き物として親しまれているものもありますが、在来種を食べたり、生息場所を奪い取ったりして在来種に深刻なダメージを与え、その地域で保たれている生態系のバランスを崩し、最悪の場合、地域の在来種を絶滅させてしまいかねないおそれもあります。
 こうしたことから、国では、平成十六年六月に、いわゆる外来生物法を定め、在来種や生態系への悪影響を及ぼすおそれのある動植物などの外来種の防除対策を始めました。
 本県は、空港や港湾を有する国内でも有数の物流の拠点であります。そして、海外との接点が高いことから多くの外来種が持ち込まれる可能性があります。
 毒グモの一種であるセアカゴケグモは、以前は港湾などの沿岸部でしか確認されておりませんでしたが、昨年五月には、内陸部の木曽三川公園でも確認されたとの報道がありました。また、ペットとして日本に持ち込まれ、その後、野生化したアライグマやヌー、そういうものによる生活被害が県内各地で発生をしております。
 現在、本県では、生物多様性を将来の世代に継承し、その恵みを持続的に享受することを目的とした行動計画となるあいち自然環境保全戦略を策定し、さまざまな取り組みを実施していくこととしております。
 人為的に持ち込まれた動植物によって、本県の野生生物や生態系に対し悪影響を及ぼすおそれが高まる中、この地域の豊かな生態系を守っていくためには、外来種対策を早急に進めることが重要な問題だというふうにとらえています。
 そこでお尋ねをいたします。
 私たちの日常生活においては、どの生物が外来種なのかどうかわからない、あるいは気がつかないことが多いかと思いますが、本県における外来種の状況はどのようになっているのか、お尋ねをいたします。
 そして、いま一つは、外来種の生育域の拡大が懸念されています。今後、県としてどのような外来種対策を進めていかれるのかをお伺いをいたします。


◯環境部長(藤井敏夫君) 外来種に関するお尋ねをいただきました。
 まず、県内における外来種の状況についてお答えを申し上げます。
 本県では、特定外来生物による生態系などに係る被害の防止に関する法律、いわゆる外来生物法の制定を踏まえまして、生態系などに影響を及ぼすおそれのあるものとして、この法律に基づき指定されております特定外来生物の県内における生息・生育状況、これを把握することを目的といたしまして、平成十六年度から市町村などを通じ、その生息状況等の調査を実施をいたしているところであります。
 これまでの調査結果におきましては、この特定外来生物九十六種類がリストアップされておりますけれども、このうち県内では、ヌートリア、アライグマなど動物としまして十四種類、荒れ地などに大きな群落をつくりますオオキンケイギクを初め植物八種類の計二十二種類の生息、生育が確認をされているところであります。
 このうちヌートリアにつきましては、三河山間部を除く約九割の市町村で、また、ウシガエル、ブラックバス、オオキンケイギクなどは、半数以上の市町村で確認がなされているところであります。
 さらに、先ほど御指摘がありました人の身体に影響を及ぼすおそれのあるセアカゴケグモを初めカミツキガメなども一部の地域で生息が確認をされている状況であります。
 次に、本県におきます今後の外来種対策についてお答えをします。
 御指摘のとおり、外来種対策は、生物多様性を保全する上で大変重要な課題であると認識をいたしております。このため、平成十六年度に実施をしました調査結果を踏まえまして、県内に広く生息しているということが確認されましたヌートリアあるいはアライグマなどの対策を進めますため、十七年三月に外来種捕獲手法マニュアル、これを作成しまして、関係機関に周知することによりその防除の推進を図ったところであります。
 今後の外来種対策についてでありますが、本県の実態を踏まえ、適切に対応していく必要があります。そのため、平成二十年三月に改正をしました自然環境の保全及び緑化の推進に関する条例におきまして、生態系に著しく悪影響を及ぼすおそれのある外来種を選定、公表するとともに、これらの種の拡散につながる行為の禁止などの規定を新たに設けたところであります。
 新年度におきましては、学識者などで構成をする検討会からの助言を受けまして、県内に生息、生育する外来種の種類、あるいはその分布の状況などを幅広く調査をし、生態系に悪影響を及ぼすおそれのある外来種については種の名前を公表することといたしております。
 また、こうした外来種の分布状況や、生態系への影響の内容及び防除に関する情報などにつきましても、幅広く周知を図りまして、外来種の防除対策の推進に努めてまいる所存であります。
 以上です。