◯八十三番(伊藤勝人君) おはようございます。
 質問に先立ちまして、今月初めの台風十二号と先日の台風十五号による大雨で多くの方々が被害を受けられました。亡くなられましたお方々には、心から哀悼の意をあらわしますとともに、被害を受けられました皆様方には心からお見舞いを申し上げます。
 それでは、自由民主党愛知県議員団を代表して、県政の諸問題について、順次質問をいたします。
 質問の第一は、行財政運営についてであります。
 初めに、県税収入の見通しと今後の財政運営について伺います。
 まずは、県税収入の見通しについてであります。
 今月九日に内閣府が発表したことし四月から六月期の国内総生産は、東日本大震災によるサプライチェーンの寸断で、自動車などの輸出が大幅に落ち込んだことなどにより、一月から三月期と比べ、実質〇・五%減と三四半期連続のマイナスとなっております。
 一方で、七月から九月期の国内総生産は、設備投資が前期に比べプラスに転じ、生産や輸出の見直しを背景にプラス成長が確実であるとの報道もされております。
 しかし、企業の想定を超える円高が続いていることや、海外経済の減速など懸念材料も多く、今後、企業や本県経済にどのような影響が及ぶのか、大いに心配がなされます。
 そこでお尋ねをいたします。
 こうした最近の景気情勢を踏まえ、本年度の県税収入について、どのような見通しをなされているのか、知事の御所見をお伺いいたします。
 次に、今後の財政運営についてであります。
 国は、去る八月十二日に、平成二十四度から二十六年度までを対象期間とする中期財政フレームの改訂を行いました。
 東日本大震災からの復旧、復興といった昨年度の策定時には想定されていなかった要素はあるものの、地方の安定的な財政運営に必要となる地方の一般財源の総額については、平成二十三年度地方財政計画の水準を下回らないよう、実質的に同水準を確保することなどが引き続き盛り込まれております。
 しかし、社会保障経費の伸びなどが今後も見込まれることを踏まえますと、地方にとって必要なのは、一般財源総額を同水準確保することでなく、増額することであります。果たして、同水準の確保で地方の財政運営が成り立つのか、非常に懸念がなされます。
 本県は、本年度六月補正予算までの財源対策として、既に財政調整基金や減債基金のほとんどを取り崩しており、基金残高は枯渇しております。こうした状況を見れば、本県財政が極めて厳しい状況に陥っていることは明らかです。
 今後の財政運営にとって、財源の確保や経費の節減は喫緊の課題であると考えますが、平成二十四年度の当初予算編成も見据えると、こうした県の自助努力のみでは対応できず、地方財政措置など国からの財源をこれまで以上に当てにせざるを得ない状況になるのではないかと思われます。
 そこでお尋ねをいたします。
 本年度から来年度にかけての財政運営について、どのような認識をなされておられるのか、知事の御所見をお伺いいたします。
 次に、東三河県庁(仮称)の設置についてであります。
 知事は、さきの六月議会における我が党の代表質問に対し、東三河県庁には、これまで地方機関が培ってきた現場主義を最大限生かすとともに、さらに企画立案できる機能を備え、自主的かつスピーディーに取り組むことができる体制が必要であるとの認識を示されました。
 また、今後、市町村長を初め、経済界や有識者など、地方の皆様からの意見を十分に踏まえた上で、組織づくりを進めていきたいとも答弁をされておられます。
 こうした知事の姿勢を受け、市町村長を初め、地元の皆様方から、予算や権限を東三河県庁に積極的に移譲していくことや、関係自治体や産業界、大学など官民協働で東三河の将来ビジョンを策定することなど、さまざまな意見が寄せられております。東三河県庁に対する地元の期待の大きさをうかがい知ることができます。
 東三河県庁という言葉は非常にインパクトがあって、耳に残りやすい言葉ではありますが、ややもすると、言葉がひとり歩きをし、イメージだけが先行してしまいます。東三河県庁ができたからといって、すぐに地域が発展するものかといえば、そんなに簡単なものではないでしょう。
 まずは、将来に向かって目指すべき地域像を描き、それを地域振興にかかわる地元の関係者が協議をし、同じ方向を向いて継続的に取り組みを進めていくことが必要であります。
 東三河県庁が地域振興の牽引役としての役割を果たしていくためには、全国的にも例がない地域担当の副知事のもと、地域全体が一丸となって取り組んでいくことができる組織づくりが必要ではないでしょうか。
 そこでお尋ねをいたします。
 四月から半年ほど経過した現在、来年四月のスタートを目指す東三河県庁について、どのようにつくり上げていきたいと考えておられるのか、現時点における検討の進捗状況を知事にお伺いいたします。
 次に、第五次行革大綱の深掘りについてであります。
 本県では、ここ十数年来、切れ目なく積極的かつ継続的に行財政改革に取り組んできました。
 平成十一年度以降、約五千七百億円の行革効果額を生み出し、県民福祉の維持向上に取り組んできたところであります。
 しかしながら、大幅に減少した県税収入は、大きく回復する見込みが立たない状況であり、しばらくは財政状況の好転は見込めません。こうした中、県は、これまで以上に徹底した行革に取り組むことが重要であるとの認識から、このほど、行財政改革の重点改革プログラムの策定に向けた重点改革項目案と改革の論点を公表されました。
 今後、重点改革プログラムとして取り組みの期限と目標効果を明示した工程表を策定していくとのことでありますが、長年行革に取り組んできた本県でさらに成果を上げていくためには、知事の強力なリーダーシップが必要であると思います。
 我が党県議団は、単なる事業の縮小廃止ではなく、真に必要な事業に重点化することで、新たな政策展開に必要な財源や人材を捻出することが真の行革であるとして、昨年十二月に知事に提言書を提出したところであります。
 今回公表された改革項目の中には、我が党の提言の趣旨に沿ったものもあれば、福祉医療制度や私学助成の見直しなど、見直しの方向性によっては、県民生活に大きな影響を及ぼしかねない項目なども含まれております。
 重点プログラムの策定に向けた検討に当たっては、さまざまな意見に耳を傾け、丁寧に議論をしていただきたいと思います。我が党も引き続き必要な意見を述べていく所存であります。
 そこでお尋ねをいたします。
 この秋を目途に、第五次行革大綱を深掘りした重点改革プログラムを策定するとのことでありますが、現在の検討状況はどうか、知事にお伺いをいたします。
 次に、新しい公共についてであります。
 これまでは、地域住民に身近な問題、例えばごみの出し方、防災、防犯活動、高齢者の見守りなど、さまざまな課題が行政に持ち込まれ、行政主体で解決されてまいりました。
 しかし、社会経済の成熟に伴い、個人の価値観が多様化し、複雑化している今日、行政に対するニーズも複雑・多様化し、従来の公平性に重きを置いた画一的なサービスでは満足されなくなってきています。
 その結果、市町村や市町村を補完する都道府県の守備範囲は広範にわたり、個々の課題に対してもきめ細やかな対応が必要となってまいりました。
 しかし、現在、多くの地方自治体では、大変厳しい財政状況にあり、まさに満身創痍の状態で、ある意味もはや限界に達しています。
 また、都市化や高齢化の進展などにより地域住民の結びつきが希薄化していますが、社会を構成する一人一人が身近な問題に協働して解決していくことにより、地域コミュニティーの再生・活性化が図られ、個人の生きがいや達成感も生まれてくると思います。
 近年、行政が独占してきた領域を公に開き、地域住民や住民団体、NPO、企業などの多様な主体が参画、協働して、行政と連携しながら、地域課題の解決や、地域に必要な社会サービスを提供する新しい公共という考え方が提唱されています。
 国では、昨年、閣議決定された新成長戦略の中で、新しい公共の考え方のもと、すべての国民に居場所と出番が確保され、市民や企業、NPOなど、さまざまな主体が公に参画する社会を再構築することが重要であるとして、現在の法律や制度の見直しなど、新しい公共の構築に向けた取り組みが進められています。
 本県でも、新しい公共を拡大、定着させていくために、国の公共支援事業交付金を活用して、新しい公共の担い手であるNPOや地縁組織等に対して、支援事業が実施されております。
 今後も、従来の行政では十分に対応し切れなかった分野の補完や、多様な要請に対応するきめ細かいサービスの提供ができるように、積極的に新しい公共に取り組んでいくことが大切であると思います。
 そこでお尋ねをいたします。
 今後、新しい公共の推進にどのように取り組んでいかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。
 質問の第二は、地域防災対策についてであります。
 まず初めに、業務継続計画の策定促進について伺います。
 東日本大震災では、我々の想像をはるかに超える大津波により、沿岸部の市町村では、庁舎自体が被災して行政機能が壊滅し、地域の応急対策や復旧、復興にも大きな支障を来す状況に陥りました。
 当然のことながら、被災地における各自治体では、大規模災害に対し、総合的かつ計画的に防災対策を進めるための地域防災計画を作成しておりましたが、多くの自治体では、庁舎や設備が被災して使用できなくなることまでは想定していなかったようであります。
 例えば庁舎代替施設の確保や、情報のバックアップなど、災害発生時に実施すべき応急復旧業務や、病院活動などの優先度の高い通常業務が継続できる対策をあらかじめ講じておくことの必要性が今回改めて広く認識されたところであります。
 大規模災害が発生し、人や物などの資源に著しい制約が生じた状況でも、いち早く本来の機能を復旧し、サービスを提供するため、資源の確保や、必要な対策を事前に定めておく業務継続計画の策定が民間を含めさまざまな組織で進められています。
 私自身、平成七年の阪神・淡路大震災を初め、新潟県の中越地震や中越沖地震の被災地を訪れ、被災状況を見聞きした経験があります。
 その際、復旧現場で復旧、復興の指揮に当たられた方々は、地震発生後に直面する想定していなかったさまざまな問題について、これまでの震災の教訓から学んだ知恵を生かすことにより、どう対処すればよいかを判断し、より効果的な対策を講じていくことができると口々に語っておられました。
 あらかじめ被害想定などに基づき防災対策を進めておくことも必要ですが、地震発生後の対応をしっかり詰めておくことのほうが何より大切であります。その意味でも、業務継続計画の策定の意義やその効果は大きいと思います。
 本県でも、平成二十一年に東海・東南海地震の連動を想定した愛知県庁業務継続計画が策定されましたと伺っています。この計画は、策定すること自体が目的ではなく、地震を経験した都度、運用を見直し、改善することにより、より実効性のある内容に改定していくものであると思います。
 また、東日本大震災の教訓から、住民に最も近い行政主体である市町村の業務継続体制の充実強化が喫緊の課題であると思います。
 そこでお尋ねをいたします。
 県庁業務継続計画の運用定着に向けて、現在どのような取り組みが進められているのか、また、県として県内市町村の計画策定の促進について、今後どのように取り組んでいかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。
 次に、観光への風評被害対策についてであります。
 東日本大震災や福島第一原子力発電所の事故は、全国各地にさまざまな分野で直接的、間接的な被害をもたらしました。
 観光の分野においても、大震災直後の自粛ムードによる観光需要の落ち込みや、海外メディアなどによる日本全体が危険だという誤った情報発信によって、海外からの宿泊予約は相次いでキャンセルされるなど、大きな影響が生じています。
 日本政府観光局が毎月公表している訪日外国人旅行者数によれば、地震が発生した三月は、前年同月と比べて五〇・三%も減少しており、地震から五カ月を経過した八月の速報値を見ても、前年同月比で三一・九%の減少と、海外からの渡航者の減少が長期にわたって続いていることがわかります。
 海外では、福島県と愛知県の距離は、我々が考えている以上に近いと認識されているようで、この中部地域も原発事故による放射能被害を受けているといまだに思われていることが、日本や中部地域への旅行を敬遠する大きな理由になっているようであります。
 そのような中、知事は、去る八月九日から十二日にかけて、風評被害対策などを目的に、韓国ソウル市と中国北京市を訪問され、ソウル市では、県内の観光関係事業者の皆様とともに、現地の政府機関や大手旅行社を訪問し、プロモーション活動を行われたとお聞きいたしております。
 そこでお尋ねをいたします。
 大震災発生後、県は、減少する海外からの旅行者の回復を図るため、風評被害対策にどのように取り組んできたのか、また、今回の韓国渡航の成果についてどのように考えているのか、知事の御所見をお伺いいたします。
 次に、応急仮設住宅対策についてであります。
 東日本大震災や福島第一原発の事故災害により、避難を余儀なくされている多くの被災者に対して、公営住宅や公共の賃貸住宅を初め、民間の賃貸住宅、企業の社宅や寮となどともに、応急仮設住宅が供給されています。
 本県では、地震対策アクションプランに基づき、仮設住宅建設や、民間借り上げ住宅の提供に係る体制の整備などに取り組まれてきました。
 現在、東海・東南海・南海地震の三連動地震が発生したときの被害予測調査が進められていますが、今後、被災時に必要となる応急仮設住宅の戸数予測の見直しを行うともに、大震災の教訓から、海岸からの距離や標高などを考慮して、できる限り多くの建設候補地を確保しておく必要があると思います。
 大震災では、応急仮設住宅の建設用地が確保できなかったことなどにより建設工事におくれが生じ、計画どおりに提供できなかったことが報道なされております。
 また、震災前に住んでいた市町村から外へ移住することに戸惑いを見せる被災者や、生活環境の変化やコミュニティーの維持ができなくなるなどの理由で応急仮設住宅への入居を拒む事例が見られるなど、さまざまな課題が浮き彫りになっています。
 本県でも、被災者の住みなれた地域内で建設、供給できなかった場合には、近隣の市町村へ円滑に移住できるようにすることなど、県と市町村が連携して入居管理をする仕組みをあらかじめ用意しておくことが必要ではないかと思います。
 そこでお尋ねをいたします。
 東海、東南海などの大規模地震が発生し、多くの県民が住宅を失った場合、当面の住まいとなる応急仮設住宅の建設用地が大量に必要となりますが、県ではどのような準備をしているのか、また、東日本大震災から見えてきた課題に対して、今後どのように対応されるのか、知事の御所見をお伺いいたします。
 次に、地籍調査の推進についてであります。
 登記所に備えつけられている地籍の情報は、明治初期の地租改正事業の調査記録を基礎としたものが多く、図面が不接合であったり、面積等が正確でないということはよく知られています。
 市町村が主体となって行う地籍調査は、一筆ごとの土地について、地番、地目、面積、所有者などを土地の所有者立ち会いのもとで調査し、登記所の土地に関する基礎的な情報を整備していくというものです。
 地籍調査の効果として、土地境界をめぐるトラブルの未然防止や、土地取引や開発事業における用地取得を円滑することなどが挙げられます。
 地籍調査では、地球上の座標値である緯度と経度を結びつけた測量をすることから、地震災害等で壊滅的な被害を受け、土地の位置や境界が不明になった場合でも、速やかに位置を復元できるという効果もあります。
 地籍調査が進んでいなかった平成七年の兵庫県では、阪神・淡路大震災からの復旧に際し、上下水道などのインフララインの底地権限が不明確なため、工事に支障が生じた事例や、倒壊した住宅を再建しようとしても、土地を担保に融資が受けられなかった事例などがあったと聞いております。
 東日本大震災の被災地である青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県の各県では、地籍調査の進捗率が高く、津波による浸水地域の約九割で地籍調査が完了しているということであり、阪神・淡路大震災のときのような混乱が避けられ、今後、国土地理院による基準点等の修正がなされれば、基準点をもとにそれぞれの位置が確定され、復興に向けた活動が迅速に行われるものと期待されているところであります。
 本県でも、南海、東南海、東海などの大規模地震が発生すれば、津波やがけ崩れ、地盤の液状化等で土地の形状が大きく損なわれてしまうことが想定され、大災害への備えという視点からも地籍調査の推進は重要であると思います。
 そこでお尋ねをいたします。
 本県における地籍調査の実施状況はどうか。また、今後の推進に向け、どのように取り組んでいかれるおつもりか、知事の御所見をお伺いいたします。
 質問の第三は、円高対策と産業振興についてであります。
 まずは、円高対策について伺います。
 このところ、急激な円高の進行は、物づくり愛知の基盤を揺るがしかねない大きな問題であります。
 昨年の夏に一ドル八十五円を上回って以来、断続的に円高が進行して、東日本大震災直後の三月十七日には、一時一ドル七十六円二十五銭の戦後最高値を記録しました。その後、一たんは一ドル八十五円まで下がったものの、ギリシャ初め欧州周辺国の財政不安、アメリカ国債の評価引き下げや景気の低迷などから、八月十九日のニューヨーク外国為替市場では、再び一ドル七十五円九十五銭となり、戦後最高値を更新しました。現在、なおも七十六円から七十七円台の円高水準が続いています。
 トヨタ自動車では、一ドル当たり一円の円高で約三百四十億円の営業利益を失われると言われています。現在の想定レートは八十円であり、一ドル七十六円で推移した場合、単純計算で約千三百六十億円の利益を失う計算になります。
 震災による大幅な減産がようやく回復しつつある中、円高による企業収益の悪化は、本県のみならず、我が国の経済復興にとっても大きなマイナスです。また、円は、ドルに対してのみならず、ユーロやウォンに対しても上昇しております。
 リーマンショック前と比べると、円は、いずれの通貨に対しても四割ほど価値を高めています。自動車産業においては、ドイツ車や韓国車などと比べ、価格面で四割も割高になるというハンデを負うなど、円高による国際競争力の低下が顕著であります。
 さらに、電力供給への不安などが重なり、今後、製造業の生産拠点や取引先を海外に求める動きが加速することが懸念されています。
 全国一の物づくり県である本県にとっても、物づくり産業の空洞化は、直接関連する中小企業や雇用者だけではなく、地域経済全体に深刻な影響を与えるだけに、何としても円高やそれに伴う産業空洞化は阻止しなければなりません。
 こうした中、知事は、政府及び日本銀行に対して、地元経済界などとともに、円高是正の緊急アピールを実施されました。また、全国知事会でも、新たにプロジェクトチームを設置して要請を行われたと伺っております。
 既に、政府や日本銀行は、四兆円を超える為替介入を行うとともに、追加的な緊急緩和措置を行いましたが、十分な効果が得られているとは言いがたく、一刻も早い第三次補正による新たな円高対策が望まれます。
 こうした中、本県では、九月五日に愛知県産業雇用対策推進本部会議を開催され、緊急円高対策を発表されました。円高の影響を受ける中小企業の資金繰りや、新事業展開の支援、研究開発機能の強化といった中小企業対策とともに、次世代産業の立地促進など、県内産業の競争力強化に向けた対策が必要だと思います。
 そこでお尋ねをいたします。
 このたびの緊急円高対策について、どのような目的で、どのような対策を実施していくおつもりなのか、今後の対応を含めて、知事の御所見をお伺いいたします。
 次に、知の拠点を生かした産業振興についてであります。
 今、リニモに乗りますと、陶磁器資料館南駅付近では、北側の車窓から知の拠点の建物の全容がほぼ姿をあらわし、着実に施設整備が進んでいることが実感できるようになってきております。
 知の拠点は、平成五年にその前身となる科学技術交流センター計画が作成されて以来、愛知万博の施設用地としての代替利用や施設計画の見直し、さらには、リーマンショックによる経済情勢の悪化など、紆余曲折を経て、いよいよ本年度に先導的中核施設が、来年度にはシンクロトロン光利用施設がオープンする予定であります。
 我が党は、将来の産業発展に不可欠な施策として、初期の段階から知の拠点の整備を一貫して応援してきたところであり、一層の期待も膨らんでまいります。
 この八月には、知の拠点が文部科学省、経済産業省、農林水産省の共同公募である地域イノベーション戦略推進地域の国際競争力強化地域に選定されました。重ねて、文部科学省から財政支援が得られる、地域イノベーション戦略支援プログラムにも採択されました。
 知の拠点は、官民の力強いバックアップを得て、世界に誇れる本県の新しい物づくりや、将来の産業創出を担って本格的にスタートすることになります。
 一方、このところ急激な円高の進展は、東日本大震災の痛手からようやく立ち直りつつある本県産業にも大きな影響を及ぼしており、地域経済は大変深刻な状況に直面しております。
 九月一日に経済産業省が発表した円高による国内産業への影響調査によりますと、一ドル七十六円程度の円高水準が半年間継続する場合、大企業製造業の四六%が製造研究開発拠点を海外に移転させ、中小企業も二八%が海外生産比率を増加させるといった衝撃的な結果が明らかになりました。
 こうした円高に伴う産業の空洞化を防止するためには、円高対策の実施はもちろんのこと、新産業の育成や技術力の強化が必須の取り組みとなります。その意味で、企業の技術力、製品開発力を高める最先端の研究開発の場である知の拠点の重要性はますます高まるものと思います。
 そこでお尋ねをいたします。
 今後、知の拠点をどのように事業展開して本県産業の振興に生かされていかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。
 質問の第四は、安心・安全な暮らしの実施についてであります。
 まず、交通安全対策について伺います。
 本県の昨年の交通事故による死者数は百九十七人で、前年と比べ三十人減少し、平成十七年から六年連続の減少となるとともに、昭和二十五年以来、六十年ぶりに百人台となりました。また、六年ぶりに交通事故死者数全国ワースト一位を返上するなど、大きな成果を上げることができました。
 これもひとえに、県民の皆様を初め、県や警察当局、関係機関、団体等が協力し、あるいは連携をしながら、悲惨な交通事故による犠牲者を一人でも減少させたいという熱意を持って、さまざまな交通安全対策に取り組んでいただいた結果であると認識をいたしております。
 しかしながら、年々事故死者数が減少しているとはいえ、いまだ約六万三千人もの方々が交通事故により死傷され、そのうち、二百人近い方々のとうとい命が失われているという現状は、真摯にかつ重く受けとめなければなりません。
 本年度、国において、第九次交通安全基本計画が策定され、平成二十三年度から二十七年度までの五年間に講ずべき交通安全対策の大綱が定められました。
 また、本県におきましても、国の基本計画に基づき、第九次愛知県交通安全計画が策定され、平成二十七年までに交通事故死者数も百六十人以下にすることとし、年間の交通事故の死傷者数を五万五千人以下に抑えることが目標として掲げられました。
 しかしながら、きのう現在における県内の交通事故の発生状況から見ますと、人身事故の発生件数及び負傷者数は、昨年の同じ時期に比べ減少しているものの、死者数は百五十二人で八人の増加となっており、全国順位もワースト三位となっているなど、極めて憂慮すべき状況になっています。こうした現在の事故情勢を踏まえますと、交通安全計画で掲げた目標の達成には、より効果的な施策の実施と、それを実現する並々ならぬ努力が必要だと思われます。
 そこでお尋ねをいたします。
 第九次愛知県交通安全計画の目標を達成するため、県としてどのような方針で交通安全対策に取り組まれるおつもりか、知事の御所見をお伺いいたします。
 また、本年も残すところあと三カ月余りとなりましたが、交通事故死者数の連続減少とワースト一位阻止に向けて、交通死亡事故をどのように抑止していくおつもりか、警察本部長の御所見をお伺いいたします。
 次に、風俗案内所の規制についてであります。
 昨年九月に、名古屋市中村区椿町でキャバクラ店放火殺人事件が発生し、暴力団の元組長が本年五月に逮捕されたことが報道されました。この事件は、被害を受けた店舗側がそれまで風俗案内所に依頼していた広告の掲載を取りやめたことが背景にあるとのことであります。
 風俗案内所は、風俗店から広告料を受け取ることにより、同所を訪れた利用者の求めに応じ、風俗店を紹介するという形態の業務を行っているということで、現在、県内には十数店舗の風俗案内所があると聞いております。その大半は、名古屋市中区の錦及び栄地区と中村区椿町地区に集中しているとのことであります。
 風俗案内所に対する法規制がない現状では、例えば風俗案内所による強引な客引き、卑わいな広告宣伝による県民への影響や、小学校の間近に暴力団関係者が風俗案内所を開設したり、青少年を従業者として雇用し、あるいは風俗案内所へ立ち入らせたりすることによる児童や青少年に対する悪影響などが心配されます。
 県民の安全で平穏な生活を確保するためには、こうした風俗案内所を規制するための取り組みが必要であると思います。
 特に、中村区椿町は、名古屋駅の新幹線口に位置し、愛知の玄関口として県外からの観光客も多く訪れる地域であり、安全の確保は大変重要だと思います。
 そこでお尋ねをいたします。
 本県における風俗案内所の現状とその問題点について、どのように考えておられるのか、また、県民の安心・安全の確保の観点から、風俗案内所の規制について、今後どのように取り組んでいかれるのか、警察本部長の御所見をお伺いいたします。
 最後の質問は、次代を担う人づくりについてであります。
 地域産業の担い手の育成について伺います。
 本県は、製造品出荷額等が三十三年連続で全国一位を堅持し、農業も全国有数の産出額を誇り、さまざまな産業が集積した全国屈指の産業立県であります。
 しかし、長引く経済の停滞に加え、最近では、円高による企業の海外流出、福島第一原発の事故による電力供給面での不安要素などから、地域産業を取り巻く環境は大変厳しくなっております。
 こうした状況を反映し、昨今、企業においては、じっくり時間をかけて社員を育てていく余力はなく、教育現場で即戦力となる人材を育成していくことが求められます。
 また、若者の物づくり離れや、後継者不足の問題など、産業立県愛知の基盤を揺るがしかねない状況も指摘されております。
 このような中、本県の専門高校では、地元企業での現場実習や、外部講師を活用した専門家による事業など、地域産業と結びついた実践的な学習活動が積極的に行われております。
 こうした活動を通して、これまで幅広い分野で産業社会を支える優秀な人材を輩出するとともに、全国大会レベルのコンクールや競技会においても、多くの生徒が上位入賞を果たすなど、実績を上げていると聞いております。
 また、専門高校の中には、例えば四角いメロンを栽培し、カクメロと称して全国に販売するとともに、海外へも販路を広げようとしている農業高校や、高校生らしいアイデアで福祉用品の特許を取得した工業高校などがあると伺っています。
 今後、物づくり愛知をさらに発展させるには、専門高校の特色ある教育内容や、生徒の活躍を広く情報発信し、県民や小中学生に物づくりのすばらしさや、専門高校の魅力を伝えることが大切であると思います。
 さらに、平成二十六年度には本県で技能五輪全国大会の開催が予定されており、物づくり人材の育成に向けて、産業教育を一層充実していく必要があると思います。
 そこでお尋ねをいたします。
 将来の本県地域産業を支える担い手の育成について、今後どのように取り組んでいかれるのか、教育長の御所見をお伺いいたします。
 以上、自由民主党愛知県議員団を代表して、県政各般にわたるさまざまな課題について質問をいたしてまいりました。
 知事初め、理事者各位の明快な答弁を期待いたしまして、質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
    〔知事大村秀章君登壇〕


◯知事(大村秀章君) 伊藤勝人議員の御質問にお答え申し上げます。
 最初に、本年度の県税収入の見通しについてであります。
 本年度の法人二税の税収に影響を及ぼす三月期決算の上場企業の四月から六月の経常利益は、東日本大震災の影響により、全産業ベースで前年同期比一六・六%減、本県の主要産業である製造業では二七・二%減と大変厳しい状況となっております。
 一方で、東海財務局が発表した七月から九月の東海四県の法人企業景気予測調査によりますと、サプライチェーンの復旧などにより、全産業の景況判断指数は、四年九カ月ぶりに大幅なマイナスからプラスに転じるなど、急速に改善しております。
 しかしながら、多くの企業が一ドル八十円程度で想定をしている為替レートが、米国経済の減速や欧州債務問題などを背景に、一時七十五円九十五銭の戦後最高値を記録するなど、企業努力の限界を超える円高水準が続いており、この状況が長引けば、持ち直しつつある企業収益を悪化させ、さらには、所得や雇用にも悪影響を及ぼし、法人二税のみならず、個人県民税や地方消費税などの消費関連税目への影響も懸念されるところであります。
 こうしたことから、当初予算額の確保が心配されますが、今後の企業収益や景気の動向を慎重に見きわめ、税収確保に全力を挙げてまいります。
 次に、今年度から来年度にかけての財政運営についての認識についてお尋ねをいただきました。
 東日本大震災の影響や、過度の円高といった経済情勢を踏まえますと、来年度においても、県税収入の大幅な回復を見込むことはできません。
 その一方で、公債費、扶助費といった義務的経費は確実に増加する見込みでありまして、本県財政は大変厳しい状況にあると認識をしております。
 本年度は、地方交付税や臨時財政対策債について、予算計上額を上回る交付決定を受けたところでありますが、財源対策として実施した基金の取り崩しの解消には至らない状況であり、今後ともさらなる財源の確保や経費の節減に全力で取り組んでまいります。
 また、地方交付税などの地方財政措置の確保も大きな課題であります。
 今回改訂された国の中期財政フレームでは、来年度以降においても、地方一般財源の水準は、本年度と実質的に同水準とされました。
 しかしながら、全国的に厳しい税収環境の中、高齢化の進展に伴い増加傾向にある社会保障関係経費の動向も踏まえますと、地方一般財源総額は、本年度と同水準では不十分である、これは議員御指摘のとおりだと思っております。増額確保がぜひとも必要であると考えます。
 このため、今後、この点について、全国知事会なども通じ、また、直接国に積極的に働きかけをしてまいりたいというふうに考えております。
 次に、東三河県庁の設置についてのお尋ねであります。
 本年四月のプロジェクトチーム設置以来、地元各界の皆様との意見交換や、庁内各部局へのヒアリングなどを通じ、幅広くニーズや課題などを整理し、東三河県庁の役割、機能、権限及び執行体制について検討してまいりました。
 現時点における組織づくりの方向性といたしましては、地域が直面をする諸課題に総合的、自主的に対応するとともに、東三河振興のためのビジョンを策定し、また、強力に推進をしていくための司令塔として、分野横断的な総合調整や、政策立案といった企画調整機能を発揮できる組織が必要と考えております。
 また、地域の地方機関がこれまで現場で培ってきたようなノウハウや、関係者とのつながりを地域課題の解決に生かせるよう、副知事の総合調整のもと、一体となって政策立案に参画するネットワークの仕組みを検討していくとともに、本庁からの機能移管や権限移譲により地方機関の機能強化を図ってまいりたいと考えております。
 今後、こうした考えを具体的な組織案として取りまとめ、県議会初め、関係者の皆様方に御説明をし、引き続き御意見をいただきながら、十二月議会の条例案の提出に向け、詰めの作業を進めてまいりたいと考えております。
 続いて、第五次行革大綱の深掘りについて御質問をいただきました。
 現下の厳しい財政状況が当面続いていく中で、持続可能な行財政体制を確立するためには、第五次行革大綱を深掘りして、これまで以上に徹底した行革に取り組んでいく必要があります。
 八月には、深掘りする四十六の重点改革項目案と論点を公表し、広く県民の皆様から意見募集を行い、四百件を超える御意見をいただいております。また、十二の市町村からも御意見をいただきました。
 御意見では、例えば施設の見直しについては、施設を利用する県民の方や、地元市町村から存続を求める声が多く届いております。また、事業の改革案につきましても、さまざまな立場からの御意見をいただいております。
 今後、寄せられた御意見を踏まえ、具体的な改革案を検討してまいりますが、その過程で、さらに関係者の御意見も十分伺ってまいりますし、幾つかの項目については、事業仕分けの手法も参考にして、外部有識者から第三者の視点で御意見をいただくことを検討いたしております。
 こうした進め方により検討を深め、十一月を目途に期限と目標、効果を明らかにしたプログラムを策定してまいりたいと考えております。
 次に、新しい公共についてであります。
 今日の多岐にわたる地域課題に行政だけで対応するのが困難であることは明らかでありまして、行政、地域コミュニティー、企業、NPOなどが知恵を出し合い、それぞれの強みを生かし、連携して諸課題の解決に当たることが極めて重要であると考えております。
 例えば、さきの東日本大震災では、行政、企業、NPO等、さまざまな団体の活動、国民一人一人の寄附やボランティア活動など、多くの個人や組織、機関がそれぞれの立場から被災地のニーズに応じたきめ細かな取り組みを行っており、こうした新しい公共の力が被災地の復旧、復興に向けて、大きな役割を果たしている事実はだれもが認めるところであります。
 しかしながら、NPOを初めとする諸団体には、まだまだ組織の整備や運営面などにおいて、解決すべき課題も多くございます。
 そこで、本県では、国からの交付金二億四千万円余を活用し、平成二十三、二十四年度の二カ年にわたり、新しい公共支援事業を実施しているところでございます。
 今年度においては、具体的には、まず、NPOが行う財務会計、人事、労務などの団体マネジメント力を高める研修事業を初め、四つの事業により活動基盤の整備を支援してまいります。
 また、県内に避難された東日本大震災の被災者を支援するため、愛知県被災者支援センターを県とNPOの両者で設置、運営するなど、県や市町村とNPOとの協働による十二のモデル事業を実施することといたしております。
 こうした取り組みにより新しい公共を推進し、より元気な愛知を目指してまいりたいと考えております。
 次に、業務継続計画の策定促進についてのお尋ねであります。
 業務継続計画の重要性については、議員御指摘のとおりでありますが、東日本大震災の状況を見るにつけ、さらにその思いを強くしているところであります。
 県庁業務継続計画の現在の取り組みに関しましては、職員に対する研修の実施や、業務継続計画の要素を取り入れた防災訓練を実施するなど、職員の対応能力の向上と運用定着に努めております。
 このほか、大規模停電時を想定した電力確保や、水道の停止を想定した仮設トイレの確保などを初めとしたボトルネックとなる事項の解消に鋭意努めているところであります。
 また、地方機関の業務継続計画につきましても、平成二十四年度の策定に向けた準備を進めているところであります。
 次に、市町村に対しましては、本年五月にアンケート調査を実施し、市町村のニーズを把握した上で、具体的な手順などを解説したマニュアルをこの九月二日に作成をし、配付をいたしました。
 さらに、今後は、市町村担当職員を対象とした説明会を開催するなど、市町村の実情に合わせて、個別にきめ細やかな指導、助言を行っていき、市町村における速やかな業務継続計画の策定を支援してまいりたいと考えております。
 次は、観光への風評被害対策について御質問をいただきました。
 日本全体が原発事故の影響を受けているかのような風評を払拭するため、県は、これまで名古屋市等との協力のもと、ホームページを通じて、海外向けに当地の観光の安全情報を発信するとともに、韓国や中国の総領事館に対し、本国への正確な情報伝達を要請するなどの取り組みを行ってまいりました。
 こうした対応を着実に進める一方で、より多くの観光客に安心して本県を訪れていただくためには、県を代表する私が、大震災前と変わらない本県観光地の実態を直接訴えることが必要であると考え、八月九日から四日間、県内の観光事業者の方々とともに、韓国、中国へ渡航をいたしました。
 お尋ねのあった韓国におきましては、政府機関や大手旅行社への訪問、観光セミナーの開催を通じて、本県が安全であることの周知や、当地への観光客の送り出しに協力をいただけることになりました。
 また、ソウルの街頭では、私自身が一般市民の方々に対し、観光パンフレットを配布いたしましたり、また、クイズをやりまして、クイズの景品に常滑焼の招き猫をプレゼントしてPRするなど、来県を働きかけたところでございます。
 さらに、慶福女子高校というところを訪問いたしましたが、その交流の際、私からの呼びかけに応じていただきまして、この十月に日本への修学旅行と愛知県への訪問も約束をしていただきました。
 こうした一連の取り組みにつきまして、現地マスコミの取材もありまして、効果的なPR活動ができたものと考えております。
 限られた時間ではありましたが、地域の観光事業者の方々と心を一つにした今回の取り組みが、韓国からの観光客の回復、増加につながることを期待しているところでございます。
 続いて、応急仮設住宅についてであります。
 私も、四月に被災地を視察いたしまして、まさかこんなことが日本で起きるとはと未曾有の大震災に大変なショックを受けたところであります。
 同時に、本県におきましても、県民の安全・安心の確保や、被災後の復旧、復興にどう対応していくか、しっかりと考えていかなければならないと強く感じたところであります。
 特に、一刻も早く安定した生活を送るためには、応急仮設住宅の大量、迅速な供給が重要であります。このため、現在、東海、東南海の二連動地震による被害想定で必要な約三万二千戸に対しまして、既にこれを上回る約三万八千戸分の建設用地を市町村とともに確保しているところであります。また、今後は、東日本大震災で明らかになった課題や、三連動地震による被害想定も踏まえながら、津波にも安全な建設用地の十分な確保、市町村の区域を超えた供給、従前のコミュニティーを維持できる仕組みづくりなどに市町村と連携して取り組んでまいります。
 さらに、応急仮設住宅の建設について、現在、民間の建築関係団体一団体と協定を締結しておりますが、これに新たな団体を加えるなど、大量、迅速な供給体制への一層の強化を図ってまいります。
 次は、地籍調査の推進についてのお尋ねをいただきました。
 御指摘のとおり、地籍調査は、災害後の迅速な復旧にも大いに役立つものと十分に認識をいたしております。
 しかしながら、本県における地籍調査の進捗率は、全国平均四九%に対し、一二%でありまして、地籍調査を実施したことがある市町村数の割合を示す着手率におきましても、全国平均八五%に対し六〇%と低く、未着手の市町村が二十三あるという状況でございます。
 このため、県といたしましては、実施主体である市町村に対する地籍調査推進に向けたさらなる啓発とあわせて、市町村が地籍調査を実施するために必要な人材の育成が急務であると考えております。
 そこで、従来からの地籍調査実施市町村職員に対する研修会に加えまして、未着手の市町村と休止している市町村の職員を対象とした研修会を今年度新たに開催することといたしました。
 さらに、調査に当たっては、地権者を初めとする地域の皆様にも、御理解と御協力をいただく必要があることから、新聞広告などにより地籍調査の必要性を広く周知することも始めてまいります。
 今後とも、こうした取り組みを通じて、地籍調査を推進する市町村をしっかりサポートし、東海、東南海、南海などの大地震に対する備えとなるよう、地籍調査の促進を図ってまいりたいと考えております。
 続きまして、円高対策と産業振興について御質問いただきました。
 まず、円高対策についてでございます。
 企業の想定レートを大きく上回る現在の円高は、企業の採算悪化や国際競争力の低下に加え、産業の空洞化を招き、経済活力や雇用の喪失など、本県にも深刻な影響を及ぼすことが懸念されるところでありまして、この点は議員御指摘のとおりでございます。
 行き過ぎた円高を是正するためには、適切な為替政策や金融緩和政策が不可欠であり、私自身、あらゆる機会をとらえ、政府及び日銀に対し、速やかな対応を要請してまいりましたが、その一方で、県としても、地域の経済、産業に対する影響を緩和することが必要であると判断し、九月五日には、県独自の緊急円高対策を発表いたしました。
 この対策では、まず、中小企業の経営、金融面の課題への対応として、昨年九月に創設をした融資制度、円高対応緊急枠の利率を〇・一%引き下げた上で、取り扱いを半年間延長するほか、経営相談などにきめ細かく対応する緊急無料相談会などを開催することといたしました。
 また、付加価値の高い物づくりを促すため、財団法人あいち産業振興機構に新たに一億円の基金を造成し、中小企業が行う新商品開発や販路拡大等を支援するとともに、知の拠点にナノレベルでの測定が可能な計測器や分析器の整備を加速することといたしました。
 今後とも、為替市場の推移を注視するとともに、国の円高対策の動向等をにらみつつ、追加的な産業空洞化対策についても検討を行うなど、総合的な対策に全力で取り組んでまいりたいと考えております。
 続きまして、知の拠点を生かした産業振興についてであります。
 知の拠点は、歴史的な円高の進行や、それに伴う産業空洞化が懸念される中、当地における付加価値の高い物づくりを支援し、愛知、名古屋の競争力を維持強化するために必須のプロジェクトであると考えます。
 知の拠点では、本県独自の産学官協働研究を推進し、大学の技術シーズを企業へと橋渡しいたします。また、拠点に整備する高度計測分析機器を活用しながら、きめ細かい技術指導や人材育成を行い、地域企業の新技術、商品開発を支援してまいります。
 この九月補正予算では、足元の急速な円高に対応するため、当初は二十四年度以降に導入する予定でありました機器の一部を本年度内に整備をし、それらの供用開始を前倒しすることといたしました。
 県としては、知の拠点を舞台として、将来の本県経済をリードする新産業の育成、振興を図るとともに、そのすぐれた研究開発環境をPRしながら、内外から人、物、金を呼び込むことにより、世界と闘える力強い愛知・名古屋の実現を目指してまいります。
 続きまして、安心・安全な暮らしの実現につきまして御質問をいただきました。
 私からの最後の答弁になりますが、その中でも、交通安全対策についてであります。
 県内の交通事故死者数は、これまでのさまざまな取り組みにより、ピーク時の昭和四十四年の九百十二人と比べ、昨年は、五分の一近い百九十七人にまで減少したところであります。
 しかしながら、第九次愛知県交通安全計画の初年度である本年に入り、高齢者や歩行中の死者数が大きくふえ、死者数全体も増加に転じている現状、これは、議員御指摘のとおりでございまして、そうした現状を考えますと、今後の展開は相当厳しい状況が見込まれるところであります。
 このため、今後は、第九次計画の基本方針である高齢者や歩行者など、いわゆる交通弱者への安全確保に重点を置いた人優先の交通安全思想のもと、より効果的な交通安全対策を実施してまいります。
 具体的には、県警や市町村、関係機関などとより一層の連携を図り、折しも秋の全国交通安全運動を展開中でありますが、この交通安全運動を中心に、家庭や職場、地域において、交通安全の大切さや、交通事故の悲惨さを訴えてまいります。
 また、本県の死亡事故の中で大きなウエートを占めている高齢者と交差点の事故防止対策を重点的に推進し、県民一人一人のモラルと交通安全意識の底上げを図ってまいります。
 さらに、ハード面でもより安全性の高い道路交通環境整備にきめ細かく取り組むなど、総合的な交通安全対策を推進することにより目標を達成できるよう、最大限の努力をしてまいる所存でございます。
 以上、私への質問、御答弁を申し上げました。


◯警察本部警務部長(古谷洋一君) 初めに、年末に向けた交通安全対策についてお答え申し上げます。
 議員お示しのとおり、県内の交通事故情勢につきましては、人身事故件数及び負傷者のいずれも前年に比べ減少しております中、死者数は増加傾向が継続しており、極めて厳しい状況にあると認識いたしております。
 これから年末にかけましては、例年、交通死亡事故が増加する傾向にあり、特に薄暮時間帯から夜間にかけての高齢者事故、また、飲酒運転による事故の多発が懸念されます。
 こうした状況を踏まえまして、警察署に新たに白バイを配置しましたほか、年末にかけて勤務制度を変更し、より多くの白バイを街頭で活動させるなど、総合的な対策を強力に推進し、交通死亡事故の抑止を図ってまいりたいと考えております。
 具体的には、高齢者対策として、高齢者世帯訪問活動や交通安全教育の場を通じまして、交通安全指導や反射材の利用を促進するほか、飲酒運転防止対策では、徹底した取り締まりと広報啓発を行い、飲酒運転の根絶を図ってまいります。
 また、交差点対策として、交差点関連違反の取り締まりを強化するとともに、歩行者、自転車に対する誘導活動や、事故多発時間帯の交通監視などを実施いたします。
 さらに、シートベルトの着用徹底を図るための取り締まり、啓発活動、事故多発路線におけるパトカーや白バイの赤色回転灯を常時点灯させた、見せる、目立つ警戒活動などを強化してまいります。
 今後も、自治体を初め、関係機関、団体、地域住民の皆様方と連携し、交通事故死者数の連続減少とワースト一位阻止に向けて全力で取り組んでまいります。
 続きまして、風俗案内所の規制についてお答え申し上げます。
 まず、風俗案内所の現状と問題点についてでありますが、風俗案内所は、現在県内に十八店舗が確認されており、同所を訪れる利用者に対し、その提携している風俗店の案内を行い、これら風俗店から広告料を徴収しております。
 一般的に風俗案内所の広告料の一部は、みかじめ料として暴力団に流れていると言われており、議員お示しのキャバクラ店放火殺人事件の背景にも、被害店舗が直前に風俗案内所への広告依頼を取りやめたことなどから、風俗案内所をめぐるトラブルがあったものと考えられるところであります。
 また、違法風俗店への案内も平然と行われ、青少年に関し、何ら規制されていない現状は、清浄な風俗環境を保持し、青少年を健全に育成する上で重大な問題があると考えております。
 今後の取り組みにつきましては、清浄な風俗環境の保持、青少年の健全な育成に障害を及ぼす行為の防止及び風俗案内業者による不当な行為の防止を目的とする風俗案内所を規制する条例を提案していきたいと考えております。
 その概要は、届け出制の導入、欠格自由の設定、青少年の従事・立ち入らせの禁止等、目的の達成のために必要な事項を規定することを考えております。
 さらに、本年四月に施行されました愛知県暴力団排除条例の一部を改正し、中村区椿町地区を暴力団排除特別区域に追加し、風俗案内業を行う者についても、特定接客業者に追加指定することを検討しているところであります。
 以上でございます。


◯教育長(今井秀明君) 地域産業の担い手の育成についてお答えをいたします。
 専門高校における教育を充実し、時代の本県地域産業を支える担い手を育成していくためには、産業界等の御協力を得ながら、社会で通用する実践力を身につけさせるとともに、議員御指摘のとおり、専門高校の魅力や、生徒の活躍ぶりなどをより多くの人々に知っていただくことが重要であるというふうに考えております。
 このことから、本県では、昨年度から、専門高校生の学習の成果を県民の皆様に広く発信するためのイベントをあいちさんフェスタと名づけ、県内二カ所を会場として実施しております。
 教育委員会といたしましては、この取り組みを発展させるとともに、平成二十六年度に本県で技能五輪全国大会が開催されることも踏まえ、全国産業教育フェアの平成二十五年度本県開催に向け、協議を進めております。
 この大会は、広く全国から数万人の高校生が集い、研究発表や作品展示を行ったり、ロボット競技でわざを競ったりするなど、新しい時代に即した産業教育のあり方を発信するものであります。
 本県の専門高校生にとっても、日ごろ積み重ねてきた取り組みの成果を小中学生も含めたより多くの方々にアピールする絶好の機会になるものと考えております。
 こうしたことから、各専門高校の教育活動をさらに充実し、学校と地域社会、産業界等が一体となって本県産業の担い手を育成してまいります。
 以上でございます。