伊藤勝人委員】
 私は春日井市選挙区選出であるが、昨日もリニア中央新幹線建設促進期成同盟会の総会があり、名古屋市の方を中心にして、名古屋駅前を中心にお祭りのような騒ぎをしている。これは良いこととは思うが、リニア中央新幹線が名古屋駅までたどり着くのに通過するのは春日井市と名古屋市だけである。その際には、我々の土地の40メートル下をリニア中央新幹線が通るわけである。大深度だから関係ない、権利関係も問題ないと、木で鼻をくくったような説明をされてきた。しかし、穴を掘る際には、我々の土地をダンプカーが1日2,000台ずつ、合計4か所を通るわけである。
 参考人の話の中で良かったと感じたのは、名古屋−東京間の時間短縮とともに、街が変わり、名古屋に人が集中する。だから、地方は気を付けなければならないという話である。そこに街があるから仕方ないと考えるのではなく、それを逆手にとって、良い方向に持っていきたい。
 春日井市は区画整理の街であり、交通事情も朝夕は少し渋滞するがさほどではなく、名古屋市のベッドタウンとしての機能を有している。JR中央線は10両編成で、朝は6分から7分間隔で運行しており、10万人以上が名古屋市へ移動している。春日井市は人口31万人で、名古屋市のすぐ隣であるが、街をどのようにしたらよいと考えるか。
 もう一点、先ほどのロンドンの例が多数出てきたが、欧米やアジアの従来からある街は、車社会を前提に設計されておらず、荷馬車の時代の街である。駐車場がどこにもないため、旧市街は道路に車を停めるしかない。そのため、オールドデリーからニューデリーのように、外へ外へ街をつくっていくしかないが、これは苦肉の策である。一方、名古屋は終戦で焼け野原になった後、道路に自動車を使うことを大前提で、広い道路を造り、街がつくられてきた。我々は広い自動車道を使う生活が染み込んでしまっているため、先導していかないと公共交通機関との連携はうまくいかないと考えるがどうか。


【松本参考人】
 1点目の工事や大深度については専門外であるため、発言は控えさせていただくが、春日井市については、大変チャンスのある場所だと思っている。名古屋駅までのアクセスが便利であり、ベッドタウンとしても発展している。
 例えば、今回のリニア中央新幹線を機に、ベッドタウンとして生きていくことを明確にし、良好な住環境の提供を目指すこともあり得ると思っている。今、勝川などはすごく元気であり、居住人口もどんどん増えていると聞いている。
 一方で、春日井市は様々な文化、歴史、農業も盛んである。地元の方からすると、中途半端にみえるかもしれないが、外からみると魅力的であるため、そういうところを磨いていくのも一つの方策だと思っている。
 また、JR中央線があることはすごいチャンスなので、交通はJR中央線に集めつつ、その拠点を魅力のある空間にしていき、居住空間都市の魅力を高めていくことが一つの方策だと思っている。
 2点目の広い道路で車に乗ることに体が慣れている点であるが、確かにあると思う。車に乗っている方々に、公共交通の良いところを説明し、利用を期待しても、ほとんどが興味を持ってもらえない。そもそも交通手段の選択肢として、車以外がない。ただ傾向として、最近の若者は、車離れが進んでいるデータが出てきており、これからの交通状況をみていくと、特に若い世代で車での移動が減ってくるので、必ずしも車しか使わない状況がこの先ずっと続くかというと、そうではないと思う。
 車への依存は、高齢者にそういう傾向が強いと思っており、特に高齢の男性は、バスに乗ることをすごく嫌がる傾向がある。それはバスが不便なわけではなく、バスを利用したことがないため、どう乗って、どうやってお金を払えばよいか分からないからである。
 これは少しずつその不安を取り除きながら、一方で、公共交通の利便性をもっと高めていくことで、少しずつ変わっていけると思っている。また、同時に歩行空間や遊ぶ場所、集える場所などをつくり、街の魅力を高めていくことによって、街が変わってくると思っている。一・二年で急に街が変わることはないので、中長期で理想の街を描き、その姿に持っていければと思っている。
 また、世界的にみると名古屋市や春日井市、岡崎市、豊田市ぐらいの規模の都市で、中心部がにぎわっている都市はたくさんある。しかし、そういう姿を目指す一方、自動車自体を使うことをやめようとは思っていない。私自身も自動車を使っているので、その使い分けを上手にしたいと思っている。ただ、街の真ん中に人が集まりにぎわい、そこで交流が生まれて、新しい文化や技術が生まれるような国にしていきたいと考えている。